美術館
若い友人が教えてくれた青山ユニマット美術館へ行った。印象派画家たちの企画展もあったし、シャガールの常設展があるというのも魅力的だった。
この美術館は、余り周知されていないのかもしれない・・。人々も適度にまばらだったし、広すぎない静かな空間が、ゆっくり絵を眺める環境をかもし出していた。
私は今回、藤田嗣治のバラをさした花瓶の絵と、デュフィの婦人像が印象に残った。
藤田嗣治のこの絵は、以前箱根の美術館で見た気がする。気に入って絵葉書を数枚購入したので記憶に残っている。
改めて眺めると、花瓶の質感の様なものが見る者に迫ってくる。陶器のちょっとしたざらつきとか、重さとかが感じられてくるのだ。
デュフィは、音楽家の絵をたくさん描いているらしく、「モーツアルト」は友人の「バルトークに見えた」という表現を思い出して、納得した。
その手前に飾られていた、婦人像。題名は憶えていないのだが、ずっしりとした中年のその婦人のたたずまいが、何ともいえないリアリティーを持って語りかけてきた。
その婦人が送っている生活や思いが、想像できる様な座り方とちょっと不機嫌そうな表情。背景は「明るい青」只一色。デュフィの壮年期の作品だと思われる。
個人的には、それぞれの画家達の作品を年代順に並べてあればより楽しめたかな、と思う。何度も、製作年月を確認するために、沢山の絵の前を行きつ戻りつしてしまったから・・。
キースリングは、今までにも色々な場所で目にはしていたが、今回初めてポーランド出身の画家である事を知った。いざそういう目で、1945年作の若い女性の像を眺めると、その女性の寂しげな表情の前から、私は離れられなくなってしまった。
あの表情は、第二次世界大戦をめぐるヨーロッパの歴史と文化を背負っているかのようで、暫くの間、様々な思いが私の前を通り過ぎて行ったのだった・・。
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